一部の不妊検査ならびに、人工授精(AIH)よりも高度な段階の不妊治療の費用は、 公的健康保険が適用されない自由診療となり、医療費は全額自己負担となります。
自由診療は、検査や診療を受ける側(患者)と提供する側(病院)との間で自由に交わされる契約によって成り立つ診療です。
そのため、同じような治療法であっても、実施病院によって費用が変わってきますので、病院のホームページなどでご確認ください。
例えば、体外受精において、排卵誘発剤を用いて卵巣刺激を行い、一度に複数の卵を得ようという治療方針の病院の場合、採れる卵子の個数別に採卵費用や得られた胚(受精卵)の凍結費用が変わる設定の病院もあれば、何個採れても、何個凍結しても費用が同じ設定の病院もあります。
そのため、病院のホームページにかかれている費用と実際にかかる費用が大きく異なるケースもありますので、事前に詳しく病院から説明を受けるようにしましょう。
体外受精・顕微授精など高度生殖医療には、下記等のリスク・合併症があります。
治療方針によっては、該当しない項目もありますので、詳しくは各医療機関にお問合せください。
排卵誘発剤を用いた卵巣刺激を行う場合、卵巣が過剰に反応するとOHSSになることがあります。卵巣の腫れ、腹水、胸水、血栓症の可能性があります。
採卵針により、腸管や血管を傷つけ、出血や感染を起こす可能性があります。
複数の卵胞を採卵するために麻酔を用いる場合、発熱、頭痛、嘔吐、めまいなどの副作用が出ることがあります。
移植した胚が着床すると、胎盤(絨毛)からhCGが分泌され、OHSSが悪化することがあります。
ARTでの妊娠例の1〜3%に異所性妊娠が起こります。その症例のうち9割は、卵管因子や異所性妊娠の既往があるケースです。
現在、生殖補助医療の胚移植は、多胎妊娠防止の観点から、日本産科婦人科学会の会告に従い、原則、単一胚移植で実施されていますが、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては2胚移植が許容されています。 その結果、ARTでの妊娠例のうち、多胎妊娠の割合は通常約3%となっています(日本産科婦人科学会 2015年分の体外受精・胚移植等の臨床実施成績より)。
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