2014年にJR大崎駅前に誕生した『はなおかIVFクリニック品川』(東京)の理事長・花岡嘉奈子先生(生殖医療指導医)と院長・花岡正智先生(臨床遺伝専門医)は、ご夫婦。家での会話もつい患者さまのことになり、それが討論になり、必死なあまりに夫婦喧嘩に発展することさえあると笑うのは、理事長先生。2日くらい膠着状態が続いたのち、ようやく合意に至るケースも。ある意味国内でもっともドクター同士が患者さまのことで真剣な話し合いを重ねているクリニックの一つでしょう。
「『はなおかIVFクリニック品川』では、体外受精を完全自然周期で行うこともあれば、刺激周期で行うこともあります。病院側の都合で画一的な治療を行うのではなく、一組ひと組違うはずの背景や不妊原因を考慮して、そのご夫婦にとって一番妊娠に近い方法を見極めたうえで、治療を行うべきだと思っています」とポリシーを話してくださったのは、理事長先生。
理事長「まず患者さんのご希望をうかがいます。それでも、“このご夫婦の場合、ご希望の方法では遠回りになる”と感じたら、修正案を出します。病院のやり方を押し付けることはありませんが、奥様のご年齢によっては加齢による卵子の質の低下で妊娠を逃しかねない場合もありますので、最善の治療方法をきちんとご説明して、ご夫婦に決めていただくようにしています。体外受精などの生殖補助医療(ART/アート)を持ってしても越えることのできない年齢の壁を前に、のちのち後悔されるようなことだけはしていただきたくありませんので。
私ね、“とりあえず今回はこの治療方法でやってみて、もしもダメなら次回は別な方法を試してみましょう”といった考え方で不妊治療をするのが嫌なんです。結果的に試行錯誤が必要になることはありますが、最初から、そのような心づもりで治療するのはおかしくないですか? 病院に通っていただいた貴重な時間も、治療にかかったお金も、患者さまのものじゃないですか。無駄になってもお返しできるものじゃない。だからこそ、常に“今回の治療で妊娠して、卒業していただく!”という覚悟を持って、最善を尽くす治療方針を立てています」
院長先生と理事長先生の共著『ママ、待っててね! あなたの卵子が赤ちゃんになるまで』(シオン)には、妊娠できるかどうかの運命を左右する卵子についての大事な話が記されています。ここに書かれたことを知らずに過ごすか、知ったうえで妊娠に向けてどう取り組むかで、ご夫婦の人生は大きく変わることでしょう。間に合うようであれば、ぜひ30代のうちに読んでいただきたい本です。院長先生は、女性の身体が、その半生をかけて守り、育んできた一つひとつの卵子を大切に思って治療していると話されます。
院長「日々、精巣内でつくられている精子と違って、卵子は卵巣内に保管されていて、年齢とともに質も低下していきますし、数も少なくなっていきます。だからこそ、晴れて排卵を迎えることができた卵子、採卵できた卵子に対しては、“ようこそ”という思いで敬意を持って治療しています。この貴重な卵子が質を保っているうちに精子が出会うことができてはじめて、連綿と命は受け継がれていくのですから。
加齢とともに妊娠のチャンスが減っていることを、実生活の中で感じ取るのは女性本人にも難しいことです。月経がある間は妊娠できると思っている女性も、まだ少なくないでしょう。ましてや男性は、これほど重要なことを知らない方がほとんど。加齢とともに“卵子の数が減る”“卵子の質が低下する”などということは、自分たちが受けてきた学校教育では教えてくれませんでしたからね。男性には、こんなにも貴重な卵子を持つ女性の身体を労わっていただきたいと思っています。妊娠できる期間は限られていて、おそらくみなさんが思っているよりも早くリミットを迎えます。なかなか赤ちゃんができないとお悩みの方は、ぜひ早めに不妊治療専門施設を訪ねてください。
いったん落ちてしまった卵子の質を改善することはできませんが、そのスピードを緩やかにするために、妊娠しやすい身体に整えることはできるはずです。ご夫婦ともに禁煙する、抗酸化物質のサプリメントを利用するなど、お二人にできることはどんどん実践していただきたいと思います。
私たち医療側も、不必要なことはしませんが、必要と判断すれば体外受精の際も受精を助けるカルシウムイオノファ―や着床を助けるアシステッド・ハッチングなど、安全性が確立された治療はいち早く取り入れます。私たちは、お二人に少しでも早く妊娠して卒業していただくため、フルサポート、フルオプション態勢をとっています」
院長「『はなおかIVFクリニック品川』は、患者さまの受精卵を大切にお預かりするため個別培養器などの最新の医療設備をご用意し、高い技術を誇る培養士をはじめとするスペシャリスト揃いの医療チームで患者さまをサポートしています。院内構造も、実は患者さまと医療者の動線を熟考し、スムーズに診察が受けられるようになっているんですよ。 また24時間いつでもインターネットからの予約が可能で、実際に自分の順番になるまでの待ち時間がわかるシステムを採用していますので、いったん外出し、近くのカフェでゆったり診察をお待ちいただくことも可能です」
通院のストレスが少しでも減らせればという思いから、様々な工夫が施されている『はなおかIVFクリニック品川』。大崎駅前の『ゲートシティ大崎イーストタワー』内という抜群の地の利も、通院しやすい大きなポイントですね。
理事長「患者さまのご負担を減らすという点でもっとも力を入れているのが、ART費用のシステムです。ARTは、費用の負担も本当に大きいでしょう? ですから、採卵までの方法が完全自然周期でも、刺激周期でも、女性の年齢がおいくつでも、全例、費用は成功報酬制度を導入し、ご納得しながら治療を受けていただきやすい環境にしています。
育てた卵子を採る採卵も、万が一、卵子が卵胞から回収できなかった場合には消耗品などにかかる費用しかいただきません。卵子が採れ、体外受精や顕微授精の操作が完了した時点で、はじめて採卵達成代や培養準備代などの諸費用をいただきます。獲得できた卵子の数が何個であっても、追加費用が発生するようなこともありません。何個、体外受精や顕微授精の処置を行っても、費用は同じです。また、初期胚や分割期胚まで成長すれば、その時点で培養達成代をいただきますが、1個も戻せる胚ができなければ、この費用もいただきません。以後、移植費用、胚凍結費用など達成できたところまでの費用がかかっていき、もしもご妊娠されれば、赤ちゃんの心拍が確認される妊娠6〜8週を迎えたところで、はじめて妊娠成功費用をいただくかたちにしています。成功報酬制度の導入によって、結果が出るまでの費用は抑えられ、顕微授精(ICSI/イクシー)でも約20万円で採卵からICSI操作まで受けていただけるようになりました(*1)」
最近(*2)では、日本全国で年間約6万人もの赤ちゃんがART治療によって誕生しています。それは、全出生児中約15人に一人という驚くべき割合です。すっかりスタンダードな治療になったART治療ですが、それでも日本全体の成績でみれば、年間約46万周期ものART治療が行われているのにもかかわらず、無事、出産に至り、赤ちゃんをおうちに連れて帰ることができた移植あたりのテイクホームベイビー率は約15〜25%です。厳しい現実だけに、『はなおかIVFクリニック品川』が採用する成功報酬制度をありがたく感じる患者さまは多いことでしょう。一方、ARTのテイクホームベイビー率も、30歳代前半までの方に限れば約20%はあるのです。卵子の質が保たれているうちに早めにARTを受けることがいかに重要かを、これらの数字も証明しています。
*1 別途、診察や検査、薬や注射などの代金、培養・移植費用などがかかります。
*2 日本産科婦人科学会報告2019年ART治療成績より
理事長「時折、“必ず妊娠できます”とおっしゃられる先生がいらっしゃいますが、患者さまのことを親身に思ったら、そのような言葉はむしろ簡単に口にすることはできないのではないでしょうか。残念ながら、どうしても結果のでない方というのは、どのクリニックにも必ずおられるものです。
私が日頃から強く心の中で思っていることが、“今回こそ、結果を出そう”という決意以外に、もう一つあります。もしも万が一、妊娠できなくても、けっして不幸にだけはならないでほしい! そう願って患者さまと向き合っています。だって、お二人は、赤ちゃんを産みたい、産んでほしいと思える相手に巡り合えたのですから。この先、どのような未来を歩いていくにせよ、その“幸せの実感”だけは、手放さないでほしいのです」
取材を終え廊下に出ると、モニター画面に『日本昔ばなし』のアニメーションが流れていました。
理事長「懐かしいアニメーションを流しているのは、単に癒しの時間を過ごしてほしい、という思いだけではありません。ご両親の愛情に包まれて、大切に育まれたお子さん時代を自然と思い出すでしょう? 治療でなかなか結果が出ないときなどは、苦しくて、悲しくて、ものすごく不幸な思いにとらわれたりしがちですが、患者さまお一人おひとりの内側にある幸せな時代の記憶が彼女たちにささやいてくれたらいいなと思って……、“あなたは不幸じゃない、幸せな人なんだ!”って。ご自分で気がついてほしくって」。
廊下で待っていた患者さまに“取材ですか?”と声をかけられました。「私、ここの先生方の大ファンなんです! 残念ながら、まだ結果は出ていませんが、すごく素敵な先生方なので、いい記事書いてあげてくださいね」。こんな熱っぽいリクエストを受けたのは、はじめての経験でした。
最後に再度おすすめしたいのが両先生の書かれた本と、ブログ『はなおかIVFクリニック品川 徒然日記』です。とくに花岡ご夫妻が、互いに相手の日常をコミカルかつ愛情たっぷりに綴ったシリーズは必読。「夫婦っていいな……、まさに最強チーム」「こんな温かい先生方になら、二人の未来を託してみたい」、そんなことを自然に感じさせてくれる『はなおかIVFクリニック品川』でした。
はなおかレディースクリニックは2006年に開業し、多くのお子さんをご希望されている方の治療を行ってきました。患者さまのご要望に応えるため、当クリニックは体外受精導入の方針といたしました。現在6組に1組が不妊治療を受け、毎年27人に1人の子供が体外受精児です。わたくしたち雙葉会は働く女性の立場に立っての医療を続けていくために新たなステップをスタートします。 生殖医療指導医として、一人でも多くの悩んでいる方の手助けとなり、一人でも多くの女性が愛あふれる母になれますよう、全力で取り組んでいきたいと思います。
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