すでに第一子がいるHは第二子ができないことに気を揉んでいた。

子供を望む気持ちは自然発生的欲求であって“贅沢”ではないと思ってる。

少しは気持ち分かるし話を聞くだけならできる…つもりではいたんだけど、枕詞のように「あんたと違って」「あんたと比べたら」を付けられて、第二子不妊で悩んでるなんてまだマシだと言われる度に引っかかり、そのつっかえが取れなくなってしまった。


そんな矢先、Hから超初期での妊娠報告ーー


先越しちゃって申し訳っ☆とでも言いたげな顔を貼り付けてるのが手に取るように分かる。見たことあるわ。


関係ないから。私が不妊治療してることとあなたの第二子懐妊の朗報と、関係ないから。



ところが一転、Hに流産の診断が下った。



だいたい四週目での妊娠報告が時期尚早だったんじゃないの。内心軽率だなぁと思ってたけど、第一子が通う保育園で地味に噂になってしまってるようだった。


本来であれば経験者の私が一番彼女の気持ちに寄り添えるはずだった。でも、今までのことがあって、全く共感できない。
それどころかこれで少しは人の気持ちが分かったか！と言ってやりたかった。強がりだと分かってるのに、ヘラヘラするHのテンションについて行けず、憤りさえ覚えた。


口に出してはいけない言葉が頭を占領する。どす黒く。
これじゃ散々マウンティングしてきたHと同じじゃないか。


排卵誘発剤の影響でお腹がじくっと痛み懐かしく張った。


そうだ。お母さんがこんなんじゃいけないね。


早く、早く、会いにきてほしい。会いたい。会いたいよ。